野良の覚書

シニアおばちゃんの日常雑記 まだまだ元気

金継ぎ事始め

月一回カルチャースクールに通って、蒔絵を習っています。

お気に入りのカップと皿をかけさせてしまって、棄てるのは惜しく、この際金継ぎも本格的にやってみようと思いました。

自分で独習してもいいのですが、せっかくだから一通りの継ぎ方を覚えるまで、金継ぎを教えてもらうことにしました。

 

今まで蒔絵は、本漆を使っていません。
新漆と呼ばれる代替漆を使用していました。
新漆はカシューの樹液を主原料とし化学的に調合された合成漆です。
漆ほどの強度も発色もありませんが、十分強度もありますし、私の作る物が何十年ももつ必要もありません。
漆より扱いやすいし、色も多く、紫外線にも強く、熱やアルコールで白化しないという長所もあります。
蒔絵で新漆を使うことに抵抗はありませんでした。

でも、食器は口にあたります。
口にあたる物に合成漆っていうのは抵抗があります。
それに、私の通っている教室は、蒔絵は本漆でも新漆でも好きにしていいけれど、金継ぎは本漆でやった方がいいでしょう。

これが、道具もあるのに、今まで金継ぎをちゃんとしなかったハードルでした。
漆ってかぶれるのだもの。
私は子供の頃は喘息がありましたし、食物アレルギーもあります。
アレルギーに対する耐性は自信がありません。
ですから漆は避けていました。

でも、金継ぎをする以上は仕方がありません。
漆が肌につかないように、長袖、薄いゴム手袋、マスクに眼鏡と武装準備をして教室に行きました。

 

 


初回は割れた茶碗を接ぎ合わせるです。
道具を出して、ゴム手袋をしようとしたら先生が「無理は言わないけれど、できたら素手でやってね」というではありませんか。

 

えー!素手ですか。

「テープを張ったり作業がしにくいし、器は割れた時に膨張したりもするので、嚙合わせるときに微妙なずれを調整していくのに手袋していたらわかりにくいし」だそうです。

周りの先輩方も「そう、そう」とうなずいています。
「一回かぶれちゃえば怖くないわよ」なんてことも。
かぶれにいい薬も教えてもらいました。

どうせいつかは本漆を扱いたかったし、この際素手で挑戦です。


確かに破片を組み合わせると、きちんと合わず微妙なずれがあります。
漆で破片どうしをくっつけて、段差が無いように押し込んで、はみ出た漆をぬぐい取って、テープで固定しくっつくのを待ちます。
第一日目はここまで。
漆芸は、作業時間よりも固化のための待ち時間が長いのです。


漆を塗る時は漆に触れないようにするのは簡単です。
でも、ずれの調整の時は、どうしても漆に触れます。

かぶれませんように、かぶれませんように。
一寸ビビりながら作業しました。
腰が引けています。

「これでいいですか」と先生に確認をお願いしたら、「もう少し平らにしたいね」と言われなおしてもらいました。

 

作業の後は入念に手を洗いました。

漆がくっつくということもありませんでしたからか、今の所かぶれは出ていません。
ホッとしています。