昨日は、映画「土を喰らう十二か月」を観てきました。
監督・脚本 中江祐司
原案 水上勉
出演 沢田研二、松たか子、内田尚美、尾美としのり、
瀧川鯉八、壇ふみ、火野正平、奈良岡朋子
あらすじ 信州の田舎で暮らす作家ツトムの十二か月の生活。
立春、啓蟄などの節句ごとに起るエピソードで綴る。
出だしは東京のビル、にぎやかなジャズから始まります。
山でのスローライフの映画と思っていたので「おい!」となりますが、だんだん田舎に。そしてシーンの転換。ツトムが独り居る姿、無音。
きれいな映像ですね。
冬景色です。
信州の山は遠景の高山も近景の里山も素敵です。
こんなところに行きたいなぁと思います。
立春の雪の頃から啓蟄をへて春のおとづれにかけて、まさにこれぞスローライフだろうなという生活の描写が続きます。
雪の下から野菜をかき出す生活から、春になり山菜取りに山に入る嬉しさ。
生命の息吹を感じ取れる生活は鮮烈です。
こんな事ができたらなと、うらやましく感じます。
毎日掃除などし、食べるために畑で作物を育て取り入れる。
生きるということは体を動かすことで、体を動かすと飯がうまい。
そうでしょうね。
体を動かすことの心地よさが伝わってきます。
実際に生活すると大変な部分もあるでしょうが、映像から伝わる生活は豊かさを感じ、やってみたくなります。
食べ物も丁寧に作るとおいしそうです。
今度からホウレンソウは根っこも食べようとか、里芋は皮を少し残して焼いてみようかとか思いましたね。
すぐ影響されてしまいます。
でも、スーパーで売っているような野菜ではどうなのかな・・・
いいなぁと感じさせる生活が続いた後に、亡くなった奥さんのお母さんとの関係、その義母の死、自分自身が心筋梗塞で倒れ、死というものを考えるようになるという展開となります。
毎日の生活はともかく、別れ、死など、大きなストレスとなることですが、どれも同じように淡々と進みます。
この淡々としたリズムが心地よかったのです。
こんな生活もあるんだなと思います。
その生活は気負いもなく、体の中から雑な物が「はー」と抜けていくようです。
そういう生活を疑似体験して、リラックスしました。
いい映画をみたなという満足感がありました。
蛇足ですが、ツトムが炊事をしながら歌っていた鉄腕アトムのテーマ曲、作詞が谷川俊太郎なんですね。
エンドロールでみてびっくりしました。