昨夜は奈良旅行で買ってきた入江泰吉の写真集をみていました。
「入江泰吉 古都の暮らし・人 ー昭和20年から昭和30年代ー」です。
入江泰吉と言えば、仏像や大和路の風景写真で有名です。
しかし、私の見ていたのは、昔の奈良の村や町をとったスナップ写真のような作品ばかりの写真集です。
ご本人は、奈良の生活を記録として撮っていたようです。
入江泰吉の仏像や大和路の風景を撮った写真が余所行きの作品とすると、こちらは普段着の作品でしょう。
私はこちらの作品の方に惹かれます。
過去の庶民の生活を記録した写真群は、見ているだけで面白いです。
奈良の町筋の様子、その時代のファッション、時間のベールの向こう側を除くのは興味が尽きません。
若草山で背広やスーツ姿で宴会をしている人々や、その周りでごみを集めているとおぼしき人々の構図なんて「ほー、何しているんだ、花見じゃないよね、桜ないし・・ゴミはまきっぱなしかい、ゴミ集めている人がいるな・・・」「東大寺参道の女性観光客、スーツばかりだな~、スーツのかたちもな~、既製服じゃないな・・」などなど勝手に想像したり関心したりしていくのは、楽しいです。
私が生まれたころの時代で、「自分の生まれた地方でも、こんな雰囲気があったな」と懐かしさも感じます。
今の若い人から見ると別世界みたいかもしれません。
今と昔のギャップも面白いです。
今の方が豊かで、昔はよかったとは思いませんが、写真からゆったりした時間が流れていた感じが伝わります。
ゆったりした時間の流れを感じるのは、今の私には心地よいことです。
その点は、昔のいい所だなと思ったりしながら、写真を見ていました。
こういうものを見て喜ぶなんて、年をとったのかなぁ。