正月三が日の間、審問前に飾られた門松で牛王宝印を調整し、祓い清め、祭神の魂を吹き込まれた宝印押しはじめの神事です。
八咫烏神事の参列者にだけ配られる白玉牛王を、いつかいただきに行きたいものです。
熊野牛王神符はカラス文字で書かれ、宝印を押した熊野三山特有の御神符です。
竃の上に祭れば火災を免れ、門口に祭れば盗難を防ぎ、病人の床に敷けば病気快癒など厄災からお守りくださる御神符と言われます。
こうした護符としての利用だけでなく、誓約書としても広く使われました。
熊野牛王符に書かれた誓約は神との約束です。破ると天罰を受けるということですね。
静岡県は昔話と伝説が入り混じったような形で残っている地域です。
ですから伝説も調べています。
江戸時代に書かれた「事実証談(ことのまことあかしがたり)」という本を参考にしていますが、そこにも熊野牛王神符にまつわる話が出てきます。
それを現代語で読みやすく再話した経験から熊野牛王符に興味を持ち、熊野に行った際に、三山の牛王符を集めました。
落語の「三枚起請」も熊野牛王符が大事な小道具です。
米朝 『三枚起請』 1/3 rakugo - YouTube
熊野牛王符は、江戸時代にはずいぶんと広くいきわたっていたようです。
武士ばかりでなく、庶民にも身近なものだったようです。
なかなか面白いデザインです。
三山、それぞれ異なるのもいいですね。
額装して飾りたいと考えています。