ちょっと珍しいモロッコの映画を観てきました。
「モロッコ、彼女たちの朝」
監督・脚本 マリヤム・トゥザニ
出演 ルブナ・アザバル、ニスリン・エラディ
あらすじ
夫を亡くし心を閉ざしたパン屋のアブラと、行き場のない未婚の妊婦サミアが出会い、サミアがアブラの心を開き、未婚の子供を産んだサミアは・・・
映画の最後に出てきた「母に捧ぐ」という文字。
これに尽きる気がします。この映画は。
夫を亡くし、悲しむ時間さえ許されず、心を閉ざした未亡人と、イスラム世界では許されないだろう未婚の妊婦が、自分たちの心を取り戻し歩みだす話。
こんなレッテル貼っちゃいけないとは思います。
思いますが、フェミニズム入ってますね。
社会システムに押し込められた女たちが、果敢に心のままに生きていこうとする。
声高に小うるさいことは言いませんが、偏見を超えてたくましく生きようとする母の姿が伝わります。
美しい映像です。
所どころ、フェルメールの絵を見ているみたいな印象です。
カサブランカの旧市街だそうですが、日本人の私が見ると、異国情緒がたっぷりで、町を見ているだけでも楽しかったです。
屋上から見ると、石造りの古い町並みの屋根にパラボラアンテナが林立しているのもおかしい。
忘れていた若いころの、女性特有の閉塞感とか、いろいろ思い出しました。
映画をみて楽しかったというのとはまた違った、面白さの映画でした。