野良の覚書

シニアおばちゃんの日常雑記 まだまだ元気

映画「アイ・アム まきもと」観てきました

「アイ・アム まきもと」を観てきました。
感想です。

監督 水田 伸生
出演 阿部サダヲ、堂島ひかり、宇崎竜童、宮沢りえ國村隼松下洸平、でんでん、   

   松尾スズキ坪倉由幸

 

 

イギリス・イタリア映画「Still life 」(邦題 お見送りの作法)をリメイクしたものです。

 


あらすじ
まきもと氏は役所のお見送り課で働く公務員
亡くなった方へのちょっと迷惑な思いを持ち、役所のルールでなくマイルールで仕事をしていたところ、かかりが廃止が決まり、最後の仕事として、亡くなった方の遺族と葬儀の参列者である知人を訪ねていく・・・・

 

映画を観た感想はデリケートで美しい映画だなということ。
迷惑系ヒューマンドラマという煽り文句に惹かれて、ハチャメチャを期待して行ったのですが、ハズレました。

俳優さんたちが楽しんで演じている感じで、こちらも安心して観ていました。

 

さて、まきもと氏

3つのルール
遺族が求めなくても葬儀は絶対にやる(費用自分持ち)
参加者を探す
納骨はぎりぎり迄しない(職場のデスク周りは骨壺だらけ)

 

訪ねていった人から
「あんた、恐ろしく察しがわるいな」といわれる空気が読めないお人です。

 

阿部サダオにぴったりです。

まきもと氏が関係者を訪ね、様々な出会いを経て、関係者もまきもと氏もつながりをもっていきます。
その過程でまきもと氏も変わっていく。

ということなのですが、

 

舞台も出てくる人も美しいのです。
リアリズムより寓話です。
微妙に現実離れしているけれど、抵抗なく映画の世界に浸っていけます。
まあ、・・・は納得いきませんでしたが。

ん?
「・・・ってなんだ?」ですよね。

 


これはまきもと氏と周りの触れ合いと変容がテーマと推測します。


食事のシーンとか変わっているのはわかるのですが、まきもと氏の内面の変化があまり伝わらないのです。
内面が変化してきて、いつもと違うことをして、最後ああ(ナイショ)なるんでしょう。
その部分が伝わりにくい。
それで、最後がちょっと釈然としないということになりました。

 

惜しいな。
鈍感な観客にもわかるよう、まきもと氏の心境の変化を示してほしかった。


食事作法の違いだって、フライパンからじか食べから食器に移して食べるという変わり方でも、行為が変わったのはわかるけれど、心境の変化までは推察しなかった。
同じエピソードでも、もう少し気持ちが変容し始めたということを観客にわからせるみせ方があるんじゃないかな。
変化のエピソードの描き方を、もう少し変えて丁寧にえがいてくれたらと思いました。