野良の覚書

シニアおばちゃんの日常雑記 まだまだ元気

趣味について 昔話の再話

仕事をリタイアして、そのほかのことも落ち着いて、自分の時間ができると、その時間をどう使おうかということになる。
私はもっぱら趣味に時間を使っている。

 

私の趣味の一つに、昔話の再話がある。
昔話の再話、聞きなれない言葉だと思う。


現在では、書籍を読んであげることが主流だが、昔話は、耳で聞かれることにより残ってきた。
そうした昔話には、昔話独特の法則と語り口と構成がある。
昔話は音楽に似ている。
いったん語り始めたら、最後までどんどん進む。ストーリーを追うテンポも語り手のテンポ。本のように見返したりできない文芸だ。
こういう性質をもったものは、文字で書かれたものと異なる性質をもつ。
ところが、伝承されてきた本来の昔話の語法から外れた絵本や再話本が多くみられる。
これらは創作昔話といってよい。
耳で聞かれてきた昔話は独特の語法の中に美しさを持っており、伝承的な昔話本来の姿を後世に残していこう。
その為に、できるだけ語り手に近いお話を、語法に沿ってテキストにしていこうという活動だ。
マックス・リュッティの理論を基本にして、小澤俊夫先生の指導の下に、日本全国の再話研究会がありその中で学んでいる。

 

再話は必ずグループでする。
大変なのは、どのようなお話を再話するかを決めることだ。
本来伝承されてきた昔話を語れる人は、今は少ない。
書籍の中で信頼のおける原話をもとにすることが多い。
土地言葉でいくか、共通語で行くか。
どうまとめるか。
言い回しはどうか。
検討課題は多い。
だから、おもしろい。

 

やめていった人が多いが、今の仲間とは長いこと続けてきた。
自分にとって、やりがいのある趣味だと思っている。
やりがいのある趣味と、それを一緒に楽しむ仲間がいるのは幸せだ。